2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730267
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
安藤 史江 南山大学, ビジネス研究科, 准教授 (70319292)
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Keywords | 組織学習 / ヒアリング調査 / 許容された当事者化 / 巻き込み / 組織的な制約 / 自己効力感 / 質問票調査 / 信頼関係 |
Research Abstract |
最終年度である本年は、引き続き、静岡県、三重県、岐阜県、愛知県などの企業を数社訪問し、ヒアリング調査を行い、それぞれの企業でどのように組織学習が生じているのか、その際、その企業が選択している多様な人材、多様な雇用形態がどのように関係しうるのか、整理を進めた。 具体的には、それぞれの企業のヒアリング調査の後、比較的詳細なケースを作り、それぞれの企業の組織学習の種類とその成立を可能にしている要因を探った。その結果、雇用形態の違い、職務の違いよりも、一種の自己効力感のような感情や従業員が当事者意識を持つことが許された(「許容された当事者化」)と感じられるような仕掛けを作ることに成功し、従業員の巻き込みに成功したとき、各社の目指すような組織学習が生じていたことが認められた。今回収集した対象企業の多くが、主にトップが意図的に組織学習を実現させようと旗を振っていた。初期はリーダーを中心に小さく始め、次第により多くの従業員を巻き込んでいくというパターンをとる傾向があったが、リーダーたちさえぶれなければ、巻き込みに至るまでの葛藤が大きいほど、あるいは組織的な制約が大きいほど、成果としての組織学習がより高次になる傾向が見られた。 なお、上述したように今回調査の場合、雇用形態や職務の違いの影響はあまり明確にすることはできなかった。ただし、意図した組織学習を実現させた企業はたとえば正規従業員でもパート労働者でも同様の扱いをしているなど、両者を区別した待遇をとらず、同じ組織メンバーとして信頼感の醸成を図ることが多かったことから、多様性マネジメントが組織学習に無関係ということではないと理解している。今後の課題としたい。 一方で、質的調査の分析・考察を裏付けたいと量的調査(質問票調査)も年度の終わりのほうに実施した。その結果は、まだ現在分析中である。可能な限り早く分析を終えて、ヒアリング協力企業などに報告書を提出するとともに、論文あるいは著書という形で公刊したい。
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Research Products
(2 results)