2010 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代の都市における「多様性」の諸相と「まちづくり」の比較研究
Project/Area Number |
20730324
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
五十嵐 泰正 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (80451673)
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Keywords | 都市社会学 / まちづくり |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたる平成22年度は、昨年度までの台東区上野地区を中心とした調査を踏まえ、主に成果発表と研究交流に注力した一年となった。 上野の商店主に対する聞き取り調査に関しては、「「地域イメージ」、コミュニティ、外国人」(『多文化社会の〈文化〉を問う』所収)にまとめ、筑波社会学会にて同題目の報告を行った。同論文では、流動性の激化という現代都市が置かれた環境の中で、地域コミュニティの称揚・活性化と、都市の多文化化という二つの価値が衝突してしまう局面について理論的な整理を試みた。また、前年の東京都議会議員選挙での参与観察を踏まえ、現在の地方政治の投票行動に垣間見える地域コミュニティの液状化状況と、それを補うものと期待されるネットメディアの限界について、「選挙カーとtwitterのあいだ」(『フラット・カルチャー』所収)として検討した。さらにこれらの成果をもとに、類似した問題意識を持つ関西学院大学大学院社会学研究科を中心としたグループとの研究交流を行い、日本社会学会での共同報告「グローバリゼーションと移動・定住のフロンティアの現在」などにつなげた。 一方で、上野の状況との比較対照のために、東北地方から北関東にかけての地方都市の空間編成について調査し、その成果をひとつのアウトリーチ活動として、雑誌『POSSE』における記事にまとめた。さらに、これらの研究からの先端的な知見は、教科書(『社会学入門』)の分担執筆にも反映させることができた。
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Research Products
(8 results)