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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ALS患者の自己物語形成

Research Project

Project/Area Number 20730329
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

伊藤 智樹  富山大学, 人文学部, 准教授 (80312924)

Keywordsセルフヘルプ・グループ / 自己物語 / ナラティブ / ナラディヴ
Research Abstract

本年度の研究実施計画に則り、成果発表に関する準備を行なった。成果発表の形態としては、(1)エスノグラフィーを書籍として出版する、(2)「(2)研究目的」で述べた各テーマに切り分けたうえでの学術雑誌への論文投稿、の2種類を計画していたが、(1)については、順調に原稿が準備されつつあり、(2)については1点刊行した。また、(1)について、主たる調査協力者であるSさんが既に亡くなったため、ご遺族など関係者との打ち合わせに慎重な打ち合わせを行なっており、少なくとも現時点で出版に向けた問題は発生していない。
本研究の内容的な成果としては、ALS患者による自己物語形成のプロセス、とりわけそこでの他者のはたらきが明らかになった。
医師によるはたらきかけを「生存への呼びかけ」ととらえることの意義は、ALS医療がいまだ十分に広まっていないところで、そのようなはたらきかけが不足している危険がある、という点に存する。そこでは、患者は誰にもどのような声もかけられず、ただ不安の中で病状の進行をたどることになる。それに対して、ひとまずは「生存への呼びかけ」を行なったうえで、患者の選択のプロセスに伴奏し、現在も大いに残る生き難さを(社会的な資源の不足の実態も、社会的な資源にアクセスしきれない患者の実情も含めて)調査研究を積み重ねていくべきだろう。
また、本研究からは、ピア同士の交流が患者の自己物語形成に資する可能性も明らかになった。従来のピア・サポートでは、患者の自己物語に資するという点でのピア・サポートの重要性が十分にとらえられていないために、その評価も個々の印象に基づいた漠然としたものになりやすかった。自己物語形成という視点を据えることで、具体的にどのようにしてピア・サポートが機能しているのかを明示しやすくなるのではないかと考えられる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 在宅療養における行動観察・記述研究の可能性2011

    • Author(s)
      伊藤智樹
    • Organizer
      第6回医療の質・安全学会学術集会
    • Place of Presentation
      東京ビッグサイト
    • Year and Date
      2011-11-20
  • [Presentation] 難病者の経験からみる「安全」および「人権」に関する複層的問題2011

    • Author(s)
      伊藤智樹
    • Organizer
      第52回日本社会医学会大会
    • Place of Presentation
      富山大学
    • Year and Date
      2011-07-23
  • [Book] 社会学を問う2012

    • Author(s)
      伊藤智樹(共著)
    • Total Pages
      246
    • Publisher
      勁草書房

URL: 

Published: 2013-06-26  

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