2011 Fiscal Year Annual Research Report
女性の生活の変化-高齢期の準備とその後の生活スタイル-
Project/Area Number |
20730346
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
川口 一美 聖徳大学, 人文学部, 准教授 (00352675)
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Keywords | 中高年女性 / 生きがい / 質的調査 / 社会学 / 団塊の世代 |
Research Abstract |
平成23年度の研究は、本研究4年中の3年目にあたる。平成23年度の具体的な取り組みは2つある。1、平成22年度に実施した量的調査の結果を考察すること。2、質的調査の準備及び実施である。この2点を平成23年度におこなうことの意義としては、現在の中高年女性がどのような生活スタイルを持ち生活しているかを明らかにするとともに、これまでに老後に対してどのような準備をしてきたかを知るためである。 実際に量的調査をおこない、女性の生活老後の生活(スタイル)を左右することとして、仕事の有無、健康状況、家族の有無により差があることがわかった。 次に、質的調査で中高年女性が老後のために、いつどのような準備をおこなったかを確認した。その中で明らかになったのは、対象者がいまだ「老後」の生活を自分がしているという認識が薄いということだ。また、「老後をいつからと認識しているか」については、70代以降とする人が多く、高齢者として扱われる範疇の65歳は、老後という意識は無いようだった。また実際、自分自身が「老後」という扱いをした、自分自身が70歳台になっても、現在の自分は「老後の生活の身」だという認識ではないようだ。普段の生活に支障が無い対象者が多かったこともあり、意識して「老後の準備」をし、計画的に何かをおこなったことは少ないようだ。ただ、老後の生活を意識した時は、「子どもの巣立ち」や「配偶者の定年退職」、「体調の衰え」をあげていた。日々の生活の延長として、(老後のためという認識ではないが)食物に気をつけ、健康に過ごす努力をし、節約しながら日々を過ごすという意識上の準備は見られた。 取り巻く環境に恵まれていれば、あまり準備をせずとも老後の生活は可能な現状なのだ。ただ、今後の超高齢社会や多くの社会問題を抱えた地域社会において、すべての中高年女性や中高年予備軍に同じことが可能であるとは思えない。よって、老後を考えるきっかけを意識的に作り、必要な準備を明確に示し考えるきっかけを作る必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量的調査の考察が終了し、質的調査においても実際に継続的に調査を実施中であるため。また、今回得られたデータを授業等で一部活用するなどの取り組みも始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、これまでおこなってきた質的調査を続け、中高年女性及び予備軍の女性が自分の老後を考えるきっかけとなり得るイベントを多く見つけ、その時期に何をすべきなのかを明らかにしていきたい。 女性のライフイベントごとに老後を意識するきっかけを組み込み、自分の老後を(自らで)計画し、過ごせるように女性に提案していきたい。 提案する女性の年代層によって老後を考えるきっかけ、老後についてこちらから投げかける方法、活用するライフイベントは異なると思うので、どの年代にどのようなきっかけで「老後」を考えてもらえるか、また「自分の老後」として捉えることができるかを考えたい。
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