2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730366
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
甲田 菜穂子 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (90368415)
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Keywords | 盲導犬 / 視覚障害 / 育成 / 評価 / 障害者福祉 |
Research Abstract |
盲導犬は、視覚障害者の安全な単独歩行や、より自立的な生活を実現するのみならず、社会参加の促進や心身の健康増進など、視覚障害者福祉に非常に役立っている。近年、視覚障害者および盲導犬使用者にも高齢化、障害の重複化、生活スタイルの多様化が起きている。つまり徒来の育成技術を改良する必要が生じてきたのである。本研究は、より視覚障害者の立場に立った盲導犬の質的向上を目指し、盲導犬使用者に対して自分の盲導犬の使いやすさや要望を調査し、訓練や飼育方法、使用者と盲導犬のマッチング方法の改良案を策定することを目的とする。 今年度は、盲導犬の使用者各自が使用できるコミュニケーション手段に合わせて(点訳、音訳、メールなど)、質問紙法による質問内容と具体的な調査方法を関西盲導犬協会と相談し、決定した。調査項目は、盲導犬については、育成側が候補犬に対して実施している適性評価法(甲田・古橋2001 ; 2004 ; 2005)を参考にした。具体的には、下位項目を含む、日常生活における「穏やかさ」「集中力」「落ち着き」「怯えのなさ」「吠えないこと」「作業意欲」「従順性」「健康」の8点について各5段階評価を求めた。回答する使用者の属性、盲導犬との生活スタイル、盲導犬との生活の中で改良が必要な点に関する情報も収集できるようにした。現在は、回答された質問紙の回収と回答の整理を行なっている。 また今年度は、関係者と社会における盲導犬の役割についての先行研究と実践をまとめ、今後の盲導犬事業のあり方について提言を行なった。
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