2008 Fiscal Year Annual Research Report
総合的リスクマネジメントに対する社会心理学的アプローチ:災害リスクからの検討
Project/Area Number |
20730403
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
元吉 忠寛 Nagoya University, 大学院・教育発達科学研究科, 助教 (70362217)
|
Keywords | リスク認知 / 信頼 / 食の安全 / 規範的影響 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リスク社会の中で人々が豊かに生きるために、個人レベル、社会レベルで、どのようにリスクを最適化(最小化)し、リスクとつきあっていくのかを、社会心理学的アプローチによって明らかにしようとするものである。本年度は、防災行動モデルをリスク態度モデルに拡張するために、環境リスク認知と省エネ行動の促進に関する実験を行い、これをまとめた。環境リスクや省エネ行動に関して、コスト、ベネフィット、規範などの要因に関する説得メッセージを作成し、これを提示した場合に、人々の省エネ行動が、実生活場面においてどのように変化するかを検討した。その際、これまでに防災行動に関する研究で行動意図に関連することが明らかになっている社会考慮の個人差の影響について着目した。社会考慮が高い場合と低い場合とでは、行動変容に与える説得要因が異なる可能性が示された。また、牛海綿状脳症(BSE)に対するリスク認知と消費行動に関する日米の比較を行うために、日本と米国の大学生を対象としたアンケート調査を実施した。信頼に関する価値の類似性モデルに基づき、牛肉の生産国や生産業者、食品を輸入する国に対する信頼や道徳的規範意識が、食品に対する安全性の認知や購買意欲にどのような影響を与えるかについて検討を行った。
|
Research Products
(2 results)