2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730406
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
小城 英子 University of the Sacred Heart, 文学部, 講師 (60439510)
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Keywords | 不思議現象 / メディア / 態度 |
Research Abstract |
第1に、大学生を対象に、テレビに対する態度と不思議現象に対する態度との関連を分析した結果を論文にまとめた。テレビ視聴によって不思議現象に対する態度が規定されるモデルよりも、個人が先有している事前態度の影響の方が強いことが示唆された。第2に、テレビに対する態度尺度の一般化および妥当性の確認のために、一般人を対象としたweb調査を行い、尺度の精緻化を図った。分析の結果、テレビは人々にとって情報収集のツールとしての価値がもっとも高かった。一方、テレビに登場する人物との疑似的な交流や感情移入といったテレビへの情緒的関与は、孤独感などとはあまり関連が見られなかったことから、テレビは現実の対人関係の代替というわけではなく、視聴時間を情緒的に快適に過ごしているにすぎないことが示された。また、40代において特にテレビに親和性が高く、盲目的に内容を信奉する傾向があること、若い層ほどテレビに対して親和性と懐疑的態度が共存していることなど、世代による差異の大きいことが認められた。第3に、大学生を対象に具体的なテレビ番組(ノンフィクションとしてニュースドキュメンタリー、フィクションとしてドラマ、セミフィクションとしてバラエティ)を視聴してもらい、テレビからの影響が個人特性によって異なることを実証するためのテレビ視聴実験を行った。ノンフィクションはもっとも真実性や知識獲得の評価が高かったが、登場人物への情緒的関与や同一視、視聴後の感情体験はセミフィクションとフィクションの方が高かった。また、セミフィクションとノンフィクションの場合は、テレビに対する態度が番組内容の真実性評価を規定していたが、フィクションの場合は真実性の評価自体が低く、テレビに対する態度との関連が見られなかった。これらの知見に基づき、22年度は不思議現象のセミフィクション番組を用いて、大規模なパネル調査を実施する予定である。
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