2008 Fiscal Year Annual Research Report
行動計測機器「デジタルペン」を用いた幼児の描画プロセスの研究
Project/Area Number |
20730436
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢藤 優子 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (20352784)
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Keywords | 描画活動 / 書字能力 / 幼児発達研究 / 行動計測 / デジタルペン |
Research Abstract |
本研究は、これまで解明されてこなかった幼児の描画活動のプロセスに注目し、その発達過程を明らかにすることを目的としたものである。本研究では最新の行動計測機器「デジタルペン」(アノトマクセル株式会社製)を用いることで、完成された絵画(何を描いたか)ばかりでなく「描画活動のプロセス」(どのように描いたのか)を分析することを可能にした。「描く」という行為は学童期に必要とされる書字能力の発達と連続的な関係にあると予測されるため、子どもの描画活動のプロセスを初期段階から詳細に分析しその発達過程を解明することによって、学童期の子どもの書字教育や、書字障害を持つ子どもへの適切な教育支援の方法を提案するものとなると予想される。 平成20年度は、京都市内にある保育所に協力依頼し、2・3・4・5歳児(各30名、計120名)の書字・描画データを収集した。収集したデータの内容は、以下の通りである。(2歳児は、1、のみ実施。) 1、自由な描画(なぐり描きを含めて、好きなように描くように促す。) 2、ひらがな模写課題(ひ・す・お・け・し・せ・つ・さ・は・ろ・よ・く・い・もの中から5-6個) 3、カタカナ模写課題(メ・ヘ・ク・ナ・コ) 4、幾何学図形の模写(-|+○□◇) 5、(可能な場合)自分の名前 収集されたデータは解析ソフト(Matlab)により、ストローク数・筆圧・筆速等のスコア化がなされた。その結果、3歳児以降の幼児においてデジタルペンは行動計測機器として有効であり、完成された書字・描画ばかりでなく、筆順などのプロセスを定量化することにより、子どもの書字描画の発達プロセスを明らかにしうることが判明した。これらの研究成果は、国内外の学会において発表された。
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Research Products
(3 results)