2011 Fiscal Year Annual Research Report
行動計測機器「デジタルペン」を用いた幼児の描画プロセスの研究
Project/Area Number |
20730436
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢藤 優子 立命館大学, 文学部, 准教授 (20352784)
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Keywords | 幼児発達研究 / 描画活動 / 書字能力 / 行動計測 / デジタルペン |
Research Abstract |
本研究は、これまで解明されてこなかった幼児の書字・描画活動のプロセスに注目し、その発達過程を明らかにすることを目的としたものである。本研究では最新の行動計測機器「デジタルペン」(Nokia製)を用いることで、完成された絵画(何を描いたか)ばかりでなく「描画活動のプロセス」(どのように描いたのか)を分析することを可能にした。 今年度は,フランスの研究協力者であるフィリップ・ワロン氏(国立健康医学研究所)、マシュー・ジョベール氏(Seldage研究所)、クロード・メスマン氏(パリ第8大学)の協力を得ながら,保育施設に通う3-6歳の健常児(計150名)によるBGTベンダーゲシュタルトテストおよびDAM人物画検査の結果について,描画解析ソフトElianによる解析を行った。Elianは,書字・描画の速度、筆圧、ストローク数、描画の大きさ、用紙の中での位置関係などを自動的にデータ化し,また,コンピュータ自動診断機能によって(フランスで収集された幼児・児童による)平均的データからの逸脱を速やかに検出することができるソフトである。本研究では,自動解析によって明らかとなった描画の順序・筆速制御のありかたが,従来の得点化方法(コピッツ法)による幼児のBGTのスコアと密接に関連していることを見出した。「描く」という行為は学童期に必要とされる書字能力の発達と連続的な関係にあると予測されるため、子どもの描画活動のプロセスを初期段階から詳細に分析しその発達過程を解明することによって、学童期の子どもの書字教育や、書字障害を持つ子どもへの適切な教育支援の方法を提案するものとなると予想される。
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Research Products
(2 results)