2008 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育において編成される多様な子どもの学習集団での授業実践の教授学的研究
Project/Area Number |
20730524
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Research Institution | Takamatsu University |
Principal Investigator |
吉田 茂孝 Takamatsu University, 発達科学部, 講師 (60462074)
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Keywords | 特別支援教育 / 授業研究 / 学習集団 / 通常学級 / カリキュラム / ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、特別支援教育において「特別な教育的ニーズ」をもつ子どもばかりではなく、そうした子どもを含んだ多様な子どもたちで編成される学習集団を指導する方法を明らかにすることを目的としている。 平成20年度は、特別支援教育とともに、現代学習集団論の研究動向を考察しながら、理論的な枠組みに関する研究を行った。そのさい、国内外に関する関係図書・資料を収集、関連学会・研究会等への参加、ドイツ渡航によって文献収集及び研究者との意見交換を行った。また、西日本の小学校において授業分析や実践検討を行った。その結果を日本教育方法学会と中国四国教育学会で発表し、論文と分担執筆した図書にまとめた。具体的には以下の通りである。1、特別支援教育における通常学級の授業論の研究動向から、インクルーシブ教育の影響を受けた研究課題を次の3つに整理し、考察した。(1)学習活動への参加に関する研究課題から、多様な参加のあり方を問い直す必要性が浮き彫りになった。(2)集団への指導に関する研究課題からは、個別支援の必要性とともに、集団を指導する授業づくりが指摘された。(3)カリキュラムに関する研究課題からは、通常のカリキュラムにおいて支援のあり方を工夫する必要性が導かれた。2、わかりやすい授業という視点を中心に、特別な教育的ニーズをもつ子どものいる通常学級への授業方法を検討した。その結果、(1)通常学級の子どもたちが参加するわかりやすい授業、(2)一斉指導での教師の働きかけ、(3)授業における小集団の意義の3つが明らかになった。なお、平成20年度は、情報収集・資料収集を中心に行ったため、ドイツ渡航で得た情報及びわが国での実践分析の結果は、平成21年度においてまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)