2009 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育において編成される多様な子どもの学習集団での授業実践の教授学的研究
Project/Area Number |
20730524
|
Research Institution | Takamatsu University |
Principal Investigator |
吉田 茂孝 Takamatsu University, 発達科学部, 講師 (60462074)
|
Keywords | 特別支援教育 / 授業研究 / 学習集団 / 通常学級 / 学習形態 / ドイツ / グループ / 異質性 |
Research Abstract |
平成21年度は、平成20年度に実施した国内外の研究者との意見交換や収集した文献に基づいた理論的な研究とともに、フィールドワークで得た実践分析との比較検討を行なった。具体的には以下の通りである。1、一定期間継続してフィールドワークを行った小学校の通常学級におけるビデオと手書きのメモによる授業記録とその分析から、発達障害などの特別な教育的ニーズのある子どもを含む多様な学習集団における授業成立に必要な条件について、学級指導と授業指導の二つの視点から考察した。2、通常学級において特別な教育的ニーズのある子どもを含んだ多様な子どもたちで編成される学習集団において、特別な教育的ニーズのある子どもとその子どもを取り巻く子ども集団とがつながっていくための授業方法を検討した。そのさい、教師の教授活動に共通する一定の法則について、学習集団研究の中に見られる「学習形態の交互転換のある授業」モデルに焦点をあて、特別支援教育における「学習形態の交互転換のある授業」モデルの構造を検討した。3、インクルーシブな授業づくりの視点などから要請されるグループでの学びについて、ドイツで展開されている授業実践の形態に関する研究動向の-つである協同学習に焦点をあて、(1)グループパズルやグループラリーといったモデルを通した協同学習、(2)チームとしての協同のあり方、について検討した。4、平成20年度に実施したドイツ渡航での文献収集などをふまえ、ドイツ教育学における異質な学習グループに関する議論を整理し、教授=学習過程において強調されている「個別化」に着目して、異質性と個別化の関係を考察した。なお、成果報告については日本教育方法学会、中国四国教育学会、現場教師が集う各地の研究会などで、発表や意見交換を行うことにより知見を交流し、実践的な視点をふまえることが出来た。
|
Research Products
(7 results)