2011 Fiscal Year Annual Research Report
保守化・個人化する現代日本における子どもたちの社会的紐帯
Project/Area Number |
20730538
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小針 誠 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (90388067)
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Keywords | 保守化 / 愛国心 / 個人化 / 社会的紐帯 / 教育改革 / 後期近代 |
Research Abstract |
本年度は研究年度の最終年度ということで、研究の総括と単著の刊行に向けて準備をした。その研究成果は以下の通りである。 第一に、日本の保守化の問題を考えるうえで、その背後にある「個人化する社会」について理論的検討を加えた。モダニティに関わる理論的検討を行った。ベック、ギデンズ、バウマンらの諸論を参考に、個人化の進む近代化の過程では保守化が不可避であること、しかしそれを乗り越える鍵として「公共圏」の存在を明らかにした。 第二に、高校生における愛国心をめぐる計量社会学的研究である。今回の研究テーマでは、国際試合等における「ぷちナショナリズム」に関わる高校生の意識を計量的に分析し、同志社女子大学総合文化研究所紀要に投稿・掲載された。 第三に、昨今、社会問題・子どもの問題として注目著しい「ネットいじめ」を対象とする子ども政策のあり方について、批判的に検討した。ここでは、特に子どもの問題が発生するたびに、それを厳しく規制する全体主義的な政策が登場している。そのひとつが子どものネット社会に対する「監視」の問題である。子どもの諸問題に対する社会の保守的な姿勢が政策の保守化にも直結している可能性を明らかにした。 それ以外にも、子どもの習い事としてダンス教室の調査研究、高度経済成長期における家庭教育の格差の問題を明らかにして、それぞれ論文を発表した。
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Research Products
(6 results)