2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポストコロニアルの視点にたった先住民学習の教材開発
Project/Area Number |
20730559
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
中山 京子 帝京大学, 文学部, 准教授 (50411103)
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Keywords | ポストコロニアル / 先住民族 / 国際理解教育 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究では、従来の先住民をテーマとした教育活動について、ポストコロニアルな視点からの検討を通してその問題点を示し、先住民学習の意義を明らかにするとともに、先住民に関する展示をもつ博物館との連携のもとに偏りのない理解を深めるための教材を開発することを目的としている。 平成22年度は、実践検証、まとめを主な目的として、下記の(1)~(3)を主に行った。 (1)開発した教材の修正、追加実践検証:2年次に行った試行実践の結果をもとに教材の修正を行い、大学授業や神奈川県立高校においても先住民学習の授業を行い、ポストコロニアルな視点を生かした部分に対応する生徒の学習感想やアンケートをもとに教材の妥当性を検証した。 (2)研究成果の報告・普及:研究成果のまとめとして、従来の先住民学習についてポストコロニアルの視点から検討した問題点を示し、(1)の実践をふまえて先住民学習の意義を明らかにし、日本社会科教育学会研究大会での発表、研究会での発表を積極的に行った。また、『入門 グアム・チャモロの歴史と文化-もうひとつのグアムガイド-』(明石書店)にまとめ、「先住民学習の理論と実践-ポストコロニアル人類学の活用-」を学位論文としてまとめた。 (3)海外研究協力者との協議:最終的な学問上の精査や報告書の作成に向けて、アメリカ・テキサス州の高校やオクラホマ州のチカソウインディアンセンターなどを訪問、また、マリアナ諸島の文化人類学者や歴史家との交流を通して、実践の妥当性について協議を重ねた。先住民教育の専門家である陳麗華氏との懇談も実施した。これらを通して、先住民学習の意義の一般化の可能性を検討した。
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Research Products
(4 results)