2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星 裕一郎 Kyoto University, 数理解析研究所, 助教 (50456761)
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Keywords | 遠アーベル幾何 / 双曲的曲線 / 数論的基本群 / tame-blind / truncated Barsotti-Tate群 / 組み合わせ論版Grothendieck予想 / 組み合わせ論的カスプ化 / 外Galois表現 |
Research Abstract |
1、研究目標として挙げた「p進局所体上の双曲的曲線の上の最大馴分岐拡大体に値を持つ有理点のなすある点列の収束性」を考察する際に本質的な問題となっていた、Tateの定理(p可除群の生成ファイバーの間の射が元のp可除群の間の射に拡張されるという事実)のtame-blindなtruncated版を証明することができた(論文投稿中)。この結果と、これまでにすでに研究を行っていた、最大不分岐拡大体に値を持つ有理点のなすある点列の収束性に対する議論を組み合わせることによって、問題の収束性が従うと考えている。 2、研究目的として挙げた「安定還元を仮定しない状況での基本群による特殊ファイバーの幾何学の組み合わせ論的構造の復元」とは異なるタイプの結果ではあるが、「基本群による曲線の幾何学の組み合わせ論的構造の復元」という観点の研究として、望月新一氏と組み合わせ論的カスプ化についての共同研究を行い、特に、組み合わせ論版Grothendieck予想に関するある結果を証明し、それを用いることによって、組み合わせ論的カスプ化の単射性部分を証明することができた(論文準備中)。また、この結果によって、Belyi・松本によって証明されていた、代数体やp准局所体上のアフィンな双曲的曲線の基本群に付随する外Galois表現の忠実性を、固有な双曲的曲線に対しても証明することができた。 なお、この結果について、京都大学数理解析研究所、神戸大学で行われた研究集会で講演を行った。
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