2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740017
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安部 利之 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (30380215)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 可換環 / 代数学 |
Research Abstract |
本年度は,可換頂点代数のオービフォールド模型について考察し,その成果として,C_2有限な頂点代数の位数の巡回群に関するオービフォールド模型が再びC_2有限となるための必要十分条件を求めた.その研究結果については第21回有限群論草津セミナー及び日本数学会秋季総合分科会において研究発表を行った.今回の研究結果は,前年度求めた位数2の巡回群に関する必要十分条件を一般の素数位数に拡張したものだが,十分に具体例でも判定可能な条件であり,現在のところ最良の判定条件であると思われる.しかし残念ながら更に一般位数の巡回群に関する場合,更なる仮定が必要となり,こちらについては具体例で判定可能な判定条件までたどり着くことができなかった。 一方,この研究の過程において,可換頂点代数と頂点作用素代数の可換化の研究のみでは,一般の頂点作用素代数に関しての予想の解決には不十分であると強く感じ,別方向から解決のアイデアを模索した.その際,筑波大学の宮本雅彦教授より,置換軌道体模型のC_2有限性について全く研究されていないとの示唆を頂いた.予想の解決には現在においても十分な手掛かりが見つかっていないため,その手掛かりと方針を見出すために,C_2有限な頂点作用素代数の置換軌道体模型のC_2有限性の証明に取り組んだ. 最初に最も基本的な互換に関する証明の考察に着手した.具体的には,Virasoro頂点作用素代数の互換に関する軌道体模型のC_2有限性の証明について考察を開始した.未知の部分が多かったが,これまでの研究成果で用いたアイデア,特に前年度の研究成果で用いたアイデアが,Virasoro代数についても適用できることに気づき,Virasoro代数に関しては軌道体模型のC_2有限性に関する予想が解決できた。
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