2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740017
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安部 利之 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30380215)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 可換環 / 代数学 |
Research Abstract |
本年度は,「頂点作用素代数の有限性の研究」の研究目的である「C_2-有限な単純頂点作用素代数のオービフォールド模型はC_2有限である」という予想の解決への研究実施計画の最終年度である.その最終的な研究成果として置換オービフォールド模型について考察し,「C_2有限な単純頂点作用素代数の2-置換オービフォールド模型はC_2有限性を持つ」ことが証明できた.本結果成果については研究集会「Research into Vertex Operator Algebras, Finite Groups and Combinatorics」において成果発表を行った.本研究結果は,昨年度の研究成果であるVirasoro頂点作用素代数の場合の2-置換オービフォールド模型のC_2-有限性の結果を一般の頂点作用素代数にまで一般化したものであり,本年度に一般の場合に置換オービフォールド模型のC_2-有限性であることを証明するという計画が達成されたこととなる.昨年度に報告したVirasoro頂点作用素代数の場合の研究成果については,Communications in Mathematical Physicsに論文を投稿し,3月に掲載された.本研究の最終的な研究目的である「C_2-有限な頂点作用素代数のオービフォールド模型はC_2有限である」という予想の解決にはまだまだ程遠いが,これまで具体例で個々に肯定的に証明されてきたこの予想に関して,本研究結果は,まだまだ特殊な場合ではあるが,非常に一般的な設定で予想が肯定的に証明できた最初の結果であり,本研究結果もしくはその研究で用いたアイデアは,一般の置換オービフォールド模型に関する予想の肯定的解決,そして一般の有限群に関するオービフォールド模型に関する予想の解決に重要な役割を果たすと考えている.
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