2009 Fiscal Year Annual Research Report
軌道体の枠付き同境類不変量とその3次元多様体の同境圏への応用
Project/Area Number |
20740048
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福本 善洋 Ritsumeikan University, 理工学部, 准教授 (90341073)
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Keywords | 同境圏 / ホモロジー同境群 / ホモロジー環 / V-多様体 / 3次元多様体 / 指数定理 / Seiberg-Witten理論 / 非結合代数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,軌道体上の場の方程式の族に対する枠付き同境類不変量の定式化を行い,3次元多様体の同境圏の構造を解明するための枠組みを確立することにある.2009年度までの研究では,特に符号数不足指数型不変量の相互法則の組織的研究という観点から,a)Fourier-Dedekind和の相互法則のトーラスの表現環への一般化,b)12次元の重力異常項相殺公式を用いた11次元レンズ空間の符号数不足指数型不変量の構成の8k+3次元への一般化,c)服部晶夫氏のV-楕円種数の剛性定理を用いた相互法則の一般化に向けた研究を行った.a)およびc)に関しては,(a-c)円周V-作用を持つスピンV-多様体のDirac作用素の指数の消滅を用いてSeifertホモロジー球面のsplicing公式を導出し,局所線形であるが滑らかにできない作用の構成に応用した.また,(b)に関しては,(b-1)次数付き可換環を対象とするある種の代数的な圏と,3次元多様体の同境圏からの関手Φの構成,およびグラフ多様体のホモロジー環の射からの非結合代数の構成の機構を分析し,相対ホモロジー類同士の非結合的な交叉積を定式化した.これにより,(b-2)松本幸夫氏によって導入されたbounding genusに対して,ホモロジー環の代数的射を用いたbounding genusの一般化(Φ-bounding genus)を3次元多様体の同境圏上の劣加法的関数として精密化した.さらに(b-3)3次元多様体の同境圏から次数付き可換環の圏への関手を8k+3次元多様体の同境圏へと一般化することにより,Efremov等によるBF位相的重力理論との関係やK.Liuによる奇跡的相殺公式を用いた8k+3次元多様体の符号数不足指数型不変量を考察する枠組みを確立した.2010年度は,これらの結果を族の枠付き同境類不変量の構成に応用する.
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