2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物胚の体軸形成過程における個体ゆらぎを含む反応拡散型システムの数理解析
Project/Area Number |
20740058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中口 悦史 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70304011)
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Keywords | 応用数学 / モデル化 / 登現制御 / 数理生物学 / 反応拡散系 / 非線形力学系 / ロバスト性 |
Research Abstract |
本年度は, 本研究課題に先行して実施した文部科学省科学研究費補助金(若手研究(B))による研究課題(課題番号17740058)の成果を整理し, 本研究課題の遂行に必要な情報の収集と, コンピュータシミュレーションシステムの構築を行った。マウス胚の左右軸形成過程に見られる個体ゆらぎを先行研究で開発した反応拡散型モデルにどのように組み込むかについて, 大阪大学生命機能研究科・濱田博司教授, 中村哲也助教らと学内において議論を重ねた。またゆらぎ要素を含む数理モデルの挙動について, 大阪大学情報科学研究科・森田浩教授, 八木厚志教授, 宇部工業高等専門学校・大崎浩一准教授らと情報交換を行った。あわせていくつかの学会や研究集会に出席し, さまざまな研究者と意見交換を行った。 並行して数値解析面からの関連研究を継続した。反応拡散方程式の陽的差分解法に見られる不安定振動パターンの分岐現象に関する研究成果を京都大学数理解析研究所講究録にて公表した。さらに無限次元非線形力学系のアトラクタの理論についてドイツ・生物学統計学研究所・M. Efendiev教授, ドイツ・シュトゥットガルト大学・W.L.Wendland教授, 宇部工業高等専門学校・大崎浩一准教授らとの共同研究を継続した。走化性方程式が有するグローバルアトラクタおよび指数アトラクタのフラクタル次元に対する評価について, Osaka Journal of Math誌およびGlasgow Math Journal誌にて公表した。また走化性方程式に対する風上型有限要素近似について検討を行い, 近似解が正値性を継承すること, グローバルアトラクタのフラクタル次元が近似の影響をほとんど受けず, 元の系のものと同程度のオーダで評価できるという結果を得て, 学術雑誌に投稿, 現在審査甲である。
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Research Products
(4 results)