2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740064
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
岩崎 雅史 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 准教授 (30397575)
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Keywords | ハングリー可積分系 / 行列の特異値分解 / 中心多様体理論 / ニュートン法 / 行列の固有値分解 / 2次非線形方程式 / 超平面 / 局所解析 |
Research Abstract |
前年度までに,可積分な離散ハングリーロトカ・ボルテラ(dhLV : discrete hungry Lotka-Volterra)系をもとに,帯行列の複素固有値を求めることのできるdhLVアルゴリズムを定式化済みである.平成21年度は,まず,このdhLVアルゴリズムの変形版としてqd型dhLVアルゴリズムを提案した.単純にqd型に変形するだけでなく,適切な変数変換を施して数値安定なアルゴリズムを導いた.これは,可積分系由来のアルゴリズムを1つ追加した研究であり,成果はJSIAM Letters誌に掲載された.続いて,dhLVアルゴリズムの局所的な振る舞いについて,中心多様体理論を利用して解析した.収束の最終局面では,常に中心多様体が存在して安定に収束することが明らかとなった.この研究成果は,dhLVアルゴリズムの信頼性を高めるもので,RIMS Kokyuroku Bessatsu誌に掲載された.また,行列の固有値問題を連立非線形方程式の求解問題に置き換えて,解の存在範囲をある超平面上に制約し,ニュートン法によって解く数値アルゴリズムを定式化した.ニュートン法は元来,初期値の設定を間違えると望みの解が得られないという欠点があるが,解が存在する超平面を制御することで安定して解を得ることができる.超平面制約法と名付けたこのアルゴリズムは,国際標準の線形数値計算ライブラリであるLAPACKのアルゴリズムよりも,高精度に固有値分解できることを数値的に示した.この研究成果は,JSIAM Letters誌に掲載された.
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Research Products
(17 results)