2009 Fiscal Year Annual Research Report
回転球面上のtwo-gyre flowの不安定性発生形態の解明
Project/Area Number |
20740066
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
谷口 由紀 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特任助教 (50468831)
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Keywords | 回転球面 / 地球流体 / 2次元流体運動 / 境界条件 / two-gyre flow |
Research Abstract |
地球上に生じる様々な複雑な流体現象に対し、自転効果に着目した基礎的研究を行つてきている。本研究では、海洋の風成循環を念頭においた2次元強制流体運動について調べている。流体領域が赤道を中心とした円形の場合、粘着境界条件のもとでNavier-Stokes方程式から流線の時間発展を調べると、エネルギーが一定値に収束して定常な西岸強化流が形成される。強制風が強くなると、この非線形解はホップ分岐で不安定化し、黒潮の蛇行に似たような振動が生じる。このような不安定化への移行について力学的構造の解析と理解を目的にしている。 本年度は、流体領域の中心を中緯度に移動した場合について強制風の変化に伴う流体運動について調べた。これは、β平面上におけるtwo-gyre flowを調べたDi_jkstra (2005)の研究と球面上の場合とを比較するためである。彼らの研究では、最初にピッチフォーク分岐が生じ、次にホップを分岐を経てから不安定化に移行すると示されている。今回の研究で、流体領域を中緯度に移動した場合についても赤道中心の場合と同じように、ピッチフォーク分岐を生じることなくホップ分岐で不安定化することが確認された。また、中緯度中心の円形β平面上においても同様な結果が得られた。従って、この不安定化への移行の違いは、流体領域の形状が影響している可能性が考えられるが、中緯度中心の流体領域では球面の影響を受けるので、赤道中心の円形8平面上を調べる必要があると考えている。
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