2011 Fiscal Year Annual Research Report
回転球面上のtwo-gyre flowの不安定性発生形態の解明
Project/Area Number |
20740066
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
谷口 由紀 首都大学東京, 理工学研究科, 特任助教 (50468831)
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Keywords | 回転球面 / 地球流体 / 2次元流体 / 境界条件 / two-gyre flow |
Research Abstract |
地球上には様々な流体現象が存在する。グローバルに見ると、地表面は大気で覆われているし、海洋は水で満たされている。これらの流体は、地球の回転効果(コリオリ力)、地球大気の密度変化、放射や水分の相変化などの影響を受けて多様に変化する。詳細な観測データに基づいた現象を忠実に再現しようとする研究が盛んであるが、かえって本質がわかりにくくなっている。そこで「回転球面」とした場合のシンプルなモデルから何か特性を見出そうとする研究が近年行われている。本研究は、特に海洋を念頭においた境界付き領域内における流体現象をシンプルな「回転球面」で調べてきている。 本年度は、昨年度に引き続き、流体領域の境界上に流入口と流出口を与え外洋との間に繋がりがある場合についての流れパターンを調べた。流入口・流出口を南北対称な位置に配置し、流体領域の位置を赤道中心から北極中心まで移動して西岸強化流形成の変化について調べた。その結果、赤道中心では流体領域全体に酉岸強化流が形成されるのに対し、北極中心では左壁に沿って流入口から流出口に向かう流れと中心付近に留まる渦が形成されることが見出された。また、中緯度に流体領域の中心が存在する場合は、流体は極域近傍に形成される渦に沿って流れ、渦の領域が終わると右壁に沿った西岸強化流に切り替わることを見出した。さらに、流量を増やし不安定化への移行について研究を進めていく。また、境界が生じる流体領域についての浅水波方程式については、境界条件の扱いについてさらに詳細に調べていく必要がある。
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