Research Abstract |
平成20年度から23年度までの本研究課題に置ける成果として,1,楕円曲面上の常微分方程式に関する研究,2,フックス型方程式の変形理論に付随する4次元パンルヴェ型方程式の分類(ガルニエ系,藤・鈴木系,笹野系,行列パンルヴェ系の4種類),3,非分岐な線型方程式に付随する4次元パンルヴェ型方程式の分類(22種類)(川上氏,中村氏との共同研究),4,フックス型方程式に関するN.Katzによる中間畳み込みの理論のq差分類似の考察(山口氏との共同研究),5,シンプレクティック構造を用いたシュレジンガー変換の離散ハミルトン系としての記述(A.Dzhamay氏,竹縄氏との共同研究)を得ているが,これらを論文等の形で発表することを23年度の目標としていた. 結果的には,このうち,1と2について投稿するところまで書けたが,これもまだ発表に至らず,それ以外のものについては,投稿にも至っていない.早急に論文の形で発表したい.ただ,アメリカ合衆国と.フランスでの海外での発表に加え,国内でも口頭での学会発表はいくつかできて意義があったと思う.2と3の結果については,パンルヴェ方程式の様々な高次元への拡張に対して,ひとつの全体像を与える結果であり,非常に重要な成果だったと思っている.大島利雄氏らの最近の線型方程式に関する研究に対しても,rigidでない場合の研究にたいする重要な動機付けになったと思っている. 4の結果についても,これからさまざまな分野と結びついた研究へとつなげるための重要な足がかりになると思う.
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