2010 Fiscal Year Annual Research Report
退化特異性をもつ偏微分方程式の自由境界問題とその応用
Project/Area Number |
20740094
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 工学院大学, 工学部, 准教授 (00333021)
|
Keywords | 解析学 / 関数方程式論 / 非線形偏微分方程式 / 退化特異性 / 自由境界問題 / p-Lalacian |
Research Abstract |
22年度の研究実施計画では、ヤコビのsn楕円関数を一般化した関数(21年度の研究成果であり、論文の修正原稿を再投稿中)を用いた進行波解の解析を計画していた、しかし、ヤコビのsn関数の周期が算術幾何平均と深い関わりがあることを考えれば自然な成り行きであると思うが、この一般化関数の周期と、いわば「重み付きの算術幾何平均」との関わりや他の代数的な性質を調べることに研究の重点が移っていった。今のところ、これについて特筆すべき成果は得られていないが、何人かの代数の研究者とコンタクトをとり、情報を交換しているところである。一般化関数に関して、日本数学会(名古屋大学、9月)、広島微分方程式研究会(広島大学、10月)、盛岡応用数学小研究集会(岩手大学、11月)、松山解析セミナー(愛媛大学、2月)で発表の機会を与えて頂き、多くの方に関心をもって頂けた。 また昨年度の研究実績において、1次元のpラプラス作用素を含む双安定常微分方程式の解の一致集合の存在条件に関する結果を多次元の場合に拡張することを試みているとの報告をしたが、これについても一定の成果を得ることができた。これを論文としてまとめ、現在、投稿中である。 さらに発展方程式若手セミナー(伊豆長岡、8月)では、無限次元力学系の一般論と半線形放物型方程式への応用に関するサーベイトークを、特別講演として行った。半線形ではなく退化特異性をもつ準線形の万程式を考えると、対応する力学糸の時間無限大の挙動については、大域的アトラクターの存在や次元の結果を除いてほとんど知られておらず、その解明に本研究課題の成果を生かしたいと考えている。
|