2008 Fiscal Year Annual Research Report
1露出型広視野偏光撮像器を用いたガンマ線バースト初期可視残光の観測的研究
Project/Area Number |
20740107
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川端 弘治 Hiroshima University, 宇宙科学センター, 助教 (60372702)
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Keywords | 偏光観測 / 光学赤外線天文学 / ガンマ線バースト / 高エネルギー宇宙物理学 |
Research Abstract |
本年度はかなた望遠鏡と1露出型偏光器HOWPo 1を用いた同時偏光測光観測を開始し、その較正観測法を確立させること、および効率的な観測体制を整えるための整備を進めることが目標であった。観測は2008年7月より開始し、検出器の基本的性能(linearityのずれは60000ADUまで1%以下、ゲイン2.2電子/ADUなど)の他、望遠鏡も含めた装置全体での像質(星像分布の半値幅は最良値で視野全面にわたり1.2秒角、視野端付近の歪曲は2%程度)、測定効率(大気減光や望遠鏡反射率を含めた総合効率でVバンド20%, Rバンド30%)、器械偏光等(望遠鏡の第3鏡の反射による)がいずれも設計性能をほぼ満足していることを確認した。測定された器械偏光は約4%であり、望遠鏡の第3鏡による成分のみ仮定した簡易な偏光モデルでも0.6%精度で測定結果を再現できることがわかった。再現性は良く、これより良い精度を目指す場合は、反復測定を行うか、同視野に移りこんだ比較星を用いる方法が考えられる。 ハードウェアがらみでは、装置から伸びるケーブルや冷凍機配管を必要に応じて束ね、整理した。これにより装置ローテータを任意に回転できるようになった。制御パソコンなどの周辺機器をラックにしまい、観測装置周辺を整理した。これによりケーブルの断線や接触不良の心配がほぼ無くなり、安定して稼動できるようになった。検出器CCDは、2008年6月にエンジニアリンググレードからサイエンスグレードへと置き換えたことにより、バッドコラムやホットピクセル領域が無いクリアな画像を排出できるようになった。11月に観測できるようになってから以降、ガンマ線バーストのアラートに応じて観測を開始するプログラムの整備を進めたが、望遠鏡を向けた後の処置(第3鏡、焦点、装置内光学素子の移動)の部分がまだ完成していない。次年度は早急に整備をめざす。
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Research Products
(7 results)