2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740108
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
澤田 聡子 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 非常勤研究員 (00452631)
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Keywords | 電波天文学 / 銀河 / 活動銀河核 / 質量降着 / 分子ガス / メーザー |
Research Abstract |
本研究課題は、系外銀河の半径1kpcスケールの銀河回転系と活動銀河核(AGN)領域1pcスケールでの回転系とで回転軸や角運動量がしばしば異なることに着目し、銀河の星間ガスが中心のAGNトーラスへどのように質量降着していくのかその過程を明らかにすることを目指している。本年度実行出来た研究実績として、まず以前アメリカ国立電波天文台の超長基線干渉計VLBAで観測した電波銀河NGC1052のAGN領域の水メーザーガスとプラズマガスの分布およびその物理状態を明らかにした。この観測結果から、NGC1052の中心には1pcスケールのプラズマトーラスがあること、水分子ガスもトーラスに付随していること、トーラス内の水分子ガスは中心のブラックホールに向かって運動していることが確認された。AGN領域1pcスケールでの質量降着運動を捉えた研究結果は過去にほとんどなく、とても意義のあることである。これらの成果は国際研究集会The 4th Workshop on Compact Steep Spectrum and GHz-Peaked Spectrum Sourcesにて発表すると共に、学術論文として本年度中に出版することが出来た。さらに、AGN領域より少し外側の領域である100pcスケールの系外銀河の中心構造およびガス動力学を調べることを目的として、ハワイのサブミリ波干渉計SMAへ観測提案を提出した。この観測提案は無事受理され、そして本年度3月末に3C273の中心に向けてSMA観測が実施された。またさらに、山口32m望遠鏡で行なってきた系外銀河のメタノールメーザー探査の観測結果を国際研究集会East Asia VLBI Mini-Workshop-Science of the methanol maser-および日本天文学会春季年会で発表した。
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