2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740118
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 洋介 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (60443983)
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Keywords | 宇宙物理 / 一般相対性理論 / 運動方程式 / 重力波 / 相対論的連星系 |
Research Abstract |
アインシュタインの一般相対性理論が予言した重力波は、いまだ直接検出がなされていない。現在世界各地で稼動中・計画中の重力波検出器にとって、最も有望な重力波源は合体直前の状態にある相対論的連星系である。しかし、相対論的連星系からの重力波を検出し、系の物理量を精度よく決定するためには、系の運動を支配する運動方程式を高精度で求める必要がある。この目的のため、平成20年度はアイルランド・ダブリン大学のHogan氏、東北大学の二間瀬氏、私で、一般相対論に基づいて、大質量比ブラックホール連星系の運動方程式の導出をおこない、論文として発表した。平成21年度は当該運動方程式に含まれる未知関数について調べるため、引き続き二間瀬氏、Hogan氏と議論をおこない、高次の運動方程式についての研究をおこなっている。また、論文発表後興味を持っていただいたドイツマックスプランク重力物理学研究所のSchutz, Krishnan, Babak氏などと議論をおこなった。二間瀬氏、Hogan氏との共同研究のほかに、本研究課題の目的である相対論的連星系を記述する運動方程式のもうひとつの導出方法であるPost-Newtonian近似について研究をすすめた。結果として3.5次の運動方程式の導出に成功し、これを論文として出版し、学会で発表した。その他、(1)中性子星の物性を知るための研究を応用し、最近報告されている1天文単位の永年変化について論文を出版した(2)重力波の重力レンズ現象がおきたときに、従来の電磁波の重力レンズ現象とは異なる物理量(重力波源の横速度)を引き出せることを示す論文を出版した。
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Research Products
(4 results)