2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740278
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 広幸 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (30421879)
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Keywords | 大気陸面相互作用 / 降水雲 / 降水特性 |
Research Abstract |
地表面から大気に放出される熱と水蒸気の比率は、土壌の性質や植生の状態に強く依存する。その比率が地表に近い大気の状態に影響することが知られているが、その上で発生する降水雲の性質にどのような影響を与えるかはわかっていない。これらは、経済発展に伴う土地利用の改変によって、大気がどのような影響を受けるかを評価する上で必要不可欠な基礎知識である。本研究は、陸面状態が降水雲の性質に与える影響を定量的に評価するため、雲内部の物理過程を再現できる高解像度の数値モデルを用いて、地表の状態を変えた実験を複数実施し、陸面状態の改変に伴う雲の構造や発達速度の変化を調べる事により、降水雲の特性に与える影響を定量的に評価し、陸面状態に対する降水雲の依存性を理解することを目指した。平成22年度には、大規模な降水雲の発達に対する地表面状態の影響を調べるため、中国大陸上の梅雨前線に伴う降水システムを対象に、地表面状態のパラメータを段階的に変化させた複数の数値実験を行った。その結果、陸面状態の変化によって、前線の南側で発達する大気境界層の特性が変化し、それに応じて雲の特性が変化し、降水システム全体としての形態や降水分布、寿命にまで影響を及ぼすという結果が得られた。
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Research Products
(2 results)