2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工原子におけるレーザー制御超高速スピントロニクス
Project/Area Number |
20750018
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐甲 徳栄 Nihon University, 理工学部, 講師 (60361565)
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Keywords | 人工原子 / 量子ドット / 磁性 / スピントロニクス / 量子化学 / 配置間相互作用法 / レーザー制御 |
Research Abstract |
高い磁気モーメントを持つ原子を取り入れた磁性原子内包型の人工原子において, 磁性原子のスピン状態を外部電磁場を用いて制御することを目的とした理論研究を行い, 本年度は以下に示す成果を得た : 1. 理論モデルおよび計算コードの開発 人工原子の電子を, 3次元非等方調和振動子ポテンシャルによって束縛されたスピン1/2の粒子としてモデル化し, 磁性原子と人工原子の相互作用を, 接触型のスピン交換相互作用によって記述した. 多参照配置間相互作用法を用いてハミルトニアンの人工原子部分のみの固有エネルギーおよび波動関数をまず求め, 得られた多電子波動関数を用いてスピン交換相互作用の行列要素を計算し, 全ハミルトニアンに対して再度対角化を行う「二段階対角化法」の計算コードを開発した. 2. 磁性原子の空間配置とスピン電子エネルギーの振動構造 開発したコードを用いて, 磁性原子内包型人工原子の電子状態のテスト計算を行った. 磁性原子2個を内包する擬1次元2電子人工原子について, 磁性原子間距離を変化させてエネルギー準位の計算を行った. その結果,磁性原子間距離の関数として, 超微細構造のエネルギーが振動構造を示すことが見出された. また得られた振動構造の由来を調べるために, 人工原子の電子密度分布の表示を行った. その結果, 超微細構造のエネルギー準位に見られる振動構造は電子密度分布の濃淡構造を反映していることが示された.
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