2008 Fiscal Year Annual Research Report
集積化様式を制御できるイミド基盤オリゴマーの合成,構造および光機能
Project/Area Number |
20750038
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
岩永 哲夫 Okayama University of Science, 理学部, 助教 (40454805)
|
Keywords | パイ電子系 / 自己集積化 / 芳香族ビスイミド / 電荷移動相互作用 / 大環状化合物 / 光機能 |
Research Abstract |
本研究では, 巨大なπ電子アクセプターを有する新規鎖状および大環状オリゴマーの合成とそれらの自己集積化を利用した新しい分子素子の開発を目指した。平成20年度は(1)ナフタレンビスイミド(NBI)骨格を有する大環状オリゴマーの合成とその物性, 包接挙動, (2)ペリレンビスイミド(PBI)骨格を基盤としたπ共役鎖状オリゴマーの合成について検討を行つた。以下に詳細を示す。 (1)大環状オリゴマーは, 対応するナフタレン酸無水物とキシリレンジアミン誘導体のDMF溶液をそれぞれ同時に100℃のDMFへ滴下することによつて合成できた。収率は2:2(2%),3:3(4%), 4:4(0.3%)と低収率であったが, 60℃のDMF溶液用いるとほぼ選択的に3:3環状オリゴマーを収率10%で得ることができた。反応条件を最適化し, 大環状オリゴマーの収率を向上することができた。 3:3環状オリゴマーの濃度可変1HNMRを測定したところ芳香環シグナルの高磁場シフトが観察された。これは分子間でビスイミドとキシリレンユニットが接近し, 電荷移動相互作用していると考えられる。また3:3環状オリゴマーと[2.2.2]パラシクロファン(PCP)の会合定数をNMR滴定(in CDCl_3)により算出したところ240±30dm^3mol^<-1>となり, ピロメリットビスイミド骨格を有する同サイズの環状オリゴマー(50±8dm^3mol^<-1>)よりも強く会合していることが明らかになった。 (2)イミド位に様々な可溶性置換基を導入したPBIの1, 7-位へ薗頭反応や鈴木-宮浦反応を利用して, 様々なπドナーの導入を検討した。現在,1, 7-位への9-アントリルエチニル基などの導入に成功しており,来年度の集積化へ向けて様々なπドナーの導入の検討を行っている。
|