2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビスアミジン骨格を設計基盤とするブレンステッド酸-金属複合機能触媒の開発
Project/Area Number |
20750082
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山中 正浩 Rikkyo University, 理学部, 准教授 (60343167)
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Keywords | ビスアミジン配位子 / 不斉アルキル化反応 / 不斉ヒドロボスホニル化反応 / 二核金属触媒 / 向山アルドール反応 / ルイスーブレンステッド複合酸触媒 / 二核亜鉛アミジナート / 銅-ビスアミジン |
Research Abstract |
本研究では、近年の均一系触媒の開発において2つの大きな潮流となっている有機触媒と金属触媒を分子設計レベルで融合させ、それぞれの触媒作用を協奏的に発現する『ブレンステッド酸-金属複合機能触媒』を開発する。今年度は、(1)二核亜鉛アミジナート触媒、(2)銅-ビスアミジン触媒、及び関連研究として(3)キラルブレンステッド酸触媒による不斉合成反応に関する理論的検討を行った。(1)については、(R, R)-シクロヘキサンジアミンから種々の電子的・立体的修飾を施したキラルビスアミジン配位子を合成し、10ml%のキラルビスアミジン配位子存在下、ベンゾイルギ酸メチルに2当量のジエチル亜鉛を作用させると、付加反応が優先的に進行することを見出した。配位子末端のAr置換基に、9-Anthryl基を導入し、反応基質のAr基上の置換基にo-MeO基、o-MeS基を導入するすると、高収率かつ高エナンチオ選択的に対応する生成物を与えることを見出した(up to 99%, 97% ee)。また、本反応についてDFT計算を行い、反応遷移状態の構造及びエナンチオ選択性発現の要因について解明した。(2)については、ビスアミジン配位子、FeCl_2、AgSbF_6から調製したカチオン性Fe(II)-ビスアミジン錯体を10 mol%用いて、ベンゾイルギ酸メチルの向山アルドール反応について検討したところ、-78℃で、アルドール生成物が良好な収率で得られることを見出した。また、2, 2'-ビピリジル配位子との比較検討によって、ビスアミジン配位子のNH部位の効果が確認できた。(3)については、(R)-BINOLから調製されるキラルリン酸ジエステルによるイミンの不斉ヒドロホスホニル化反応について理論的検討を行い、リン酸部位によって、ボスファイトとイミンが協奏的に活性化され、環状遷移状態を経た反応経路が有利であることを見出した。また高エナンチオ選択性発現の原因を解明した。
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Research Products
(8 results)