2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導マイクロSQUID磁束計による単一微小試料測定
Project/Area Number |
20750101
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 啓司 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (10374654)
|
Keywords | 高温超伝導体マイクロSQUID / フェリ磁性体(3)磁束カウント法 / ダイポール近似計算 |
Research Abstract |
マイクロSQUIDは試料を素子に直置きして試料磁束と素子とのカップリングを高めた高感度な磁束計であり、低温超伝導体製のものが知られている。我々はより高磁場・高温での測定を目指して、3D磁場コイルシステムと組み合わせた高温超伝導体YBa_2Cu_30_<7-x>マイクロSQUID磁束計の開発を行った。この方式では素子が試料と同じ磁場環境に置かれるために、まず、作製したマイクロSQUID単体(膜厚92nm、ホールサイズ9×4μm^2、ジョセブソン接合幅2μm)の3D磁場依存性を調査した。SQUID面に垂直方向の磁場では、SQUIDループを貫く磁束による0.27G周期の変調と、ジョセフソン接合部への侵入磁束による14G周期のフラウンホッファーパターンが観測され、SQUID面に平行方向の磁場では、フラウンホッファーパターンのみが観測された。これらの変調周期について、SQUIDおよびジョセブソン接合の大きさを元に定量的に解釈を行った、次に、フェリ磁性体[Mn_2(H_20)_2(CH_3COO)][W(CN)_8]・2H_20のマイクロ結晶(23×17×13μm^3)を素子上にマウントし、Tc=40K前後でSQUID面に平行方向の磁場を掃引しながら臨界電流値を測定した。試料からの磁束がループを貫くことによる小周期の変調を観測し、磁束カウント法により横軸をピーク磁場、縦軸をSQUIDが検出した試料磁束の量としてプロットすることで、10^<-9>emuよりも高い分解能で転移前後の磁化曲線を得ることに成功した。さらに、試料とSQUIDとの相対配置を考慮したメッシュ分割磁気ダイポール近似計算により、試料磁化とSOUIDによる検出磁束量との関係を定量的に議論した。
|
Research Products
(6 results)