2008 Fiscal Year Annual Research Report
2次元ナノ反応場を利用した高機能性セリアナノシート触媒の開発
Project/Area Number |
20750167
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中川 敬三 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (60423555)
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Keywords | セリア / 触媒 / 界面活性剤 / 水熱合成法 / ナノシート / ナノロッド |
Research Abstract |
セリア(CeO_2)は高い酸素イオン伝導性, 酸素貯蔵能など特異な性質を持つため, 固体電解質, 燃料電池の電極材料, 自動車用排ガス浄化触媒(三元触媒)など幅広く応用されており, 化学的に優れた材料である. セリアを触媒材料として用いる場合, ナノサイズの形状によって結晶構造や表面特性が大きく変化することが予想されるため, セリアの形状制御による触媒反応への活性の向上が期待できる. 本研究では, 界面活性剤を利用した水熱合成法によりナノシートを始めとする様々なナノ構造材料の合成を行い, 機能性触媒の新規開発を目的とする. 硝酸セリウム塩を出発原料とし, 炭酸アンモニウム水溶液でpHを調製し種々の界面活性剤を用いて水熱合成を行った. モノアミン, ジアミンのみを用いた場合セリアの球状粒子が得られたのに対し, トリエタノールアミンを加えた場合では炭酸セリウムが得られ, 形状は界面活性剤の種類によりシート状, ロッド状へと変化し, 界面活性剤の構造に大きく影響を受けることがわかった. これらを高温で空気焼成すると, シート状やロッド状の形状は保持されたまま, セリアが得られることがわかった. 空気焼成を行なうことで炭酸セリウムが分解, 酸化され, セリアへと結晶構造が変化したと考えられる. 以上の結果より, 硝酸セリウム塩を出発原料とした場合, 炭酸セリウムの形状を界面活性剤で制御し, その後焼成することで最終的にシート状やロッドのセリアナノ粒子を得ることに成功した.
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Research Products
(1 results)