2009 Fiscal Year Annual Research Report
2次元ナノ反応場を利用した高機能性セリアナノシート触媒の開発
Project/Area Number |
20750167
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中川 敬三 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (60423555)
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Keywords | セリアナノ粒子 / ナノワイヤー / 界面活性剤 / 水熱合成法 / 酸素ストレージ能 / 炭素燃焼反応 |
Research Abstract |
CeO_2は酸素ストレージ能を持つため,自動車排ガス浄化触媒やガスセンサーなど幅広い分野で応用されている.粒子サイズや形状を変化させることにより,反応性の高い結晶面を持つCeO_2ナノ粒子の形成が期待できる.本研究では,炭酸イオンを含む溶液中において界面活性剤を利用した水熱合成法により様々な形状を持つセリアナノ粒子の合成を行い,新規機能性CeO_2触媒の開発を行った.以下に得られた結果について示す. 1. 炭酸イオンを含む水溶液中で,種々のアミン系界面活性剤を用いて合成を行ったところ,界面活性剤の性質によってロッド状,ワイヤー状,シート状の炭酸セリウム化合物が得られ,それらを空気焼成するとCeO_2ナノ粒子が得られた.種々のアミン系界面活性剤が炭酸セリウム化合物の特定の結晶面に吸着することでそれぞれの形状に制御され,空気焼成することで形状を維持したまま結晶構造がCeO_2へ変化したと考えられる.界面活性剤を加えず合成した場合は球状粒子が得られたことから,アミン系界面活性剤が形状制御に有効であることが明らかとなった. 2. 得られたCeO_2ナノ粒子を用いて,カーボンブラック(CB)を用いた炭素燃焼反応を検討した.形状制御されたCeO_2ナノ粒子(ナノロッド,ナノシート等)は比較的低温でCBを燃焼させ,特にCeO_2ナノワイヤーは活性が高いことがわかった.またO_2パルス吸着の結果より酸素貯蔵量が増加していることが明らかとなった.これは,(1)形状制御されたことにより反応性の高い結晶面が多く露出した効果と(2)空気焼成による結晶構造の変化の際に形成した酸素欠陥の効果によって酸素貯蔵量が増加し,その結果活性が向上したと考えられる.このように,アミン系界面活性剤を利用して形状制御された炭酸セリウム化合物を熱変換して得られたCeO_2ナノ粒子は,高い酸素貯蔵量を持ち,酸素が関与する触媒反応に有効であるという重要な知見を得た.
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Research Products
(8 results)