2009 Fiscal Year Annual Research Report
リビング重合による架橋高分子ゲル多孔構造の精密制御
Project/Area Number |
20750177
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金森 主祥 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (60452265)
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Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 多孔体 / ゲル / 炭素材料 |
Research Abstract |
平成21年度は、有機テルル化合物を用いたリビング重合法(TERP)を用い、様々な種類のモノマーからの多孔体合成を行った。平成20年度にはジビニルベンゼン(DVB)や1,3-グリセロールジメタクリレート(GDMA)を出発物質とする多孔体合成を行ったが、TERPは極性モノマーの重合にも有効であることから、N,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)からの多孔性ポリアクリルアミド合成を試みた。溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を、相分離誘起剤としてポリエチレンオキシド(PEO)を用いることで重合中にスピノーダル分解を誘起し、DVB系やGDMA系と同様にマイクロメートル領域に整ったマクロ孔を有する多孔体が得られた。また、平成20年度に作製したポリジビニルベンゼン(PDVB)多孔体を用い、炭素化・賦活処理を行った。得られたPDVB多孔体に対して濃硫酸を用いてスルホン化した後、窒素雰囲気下600℃-1000℃で炭素化を行い光その後二酸化炭素を10vol%混合した窒素雰囲気下で賦活処理を行った。スルホン化を行うことで熱分解反応中にスルホニル架橋が生成し、過剰な熱分解反応を防ぐことで収率を上げることができた。炭化後の比表面積はスルホン化を行わない場合と同等(~150m2g-1)であったが、賦活処理後には2360m2き-1に達した。また、前駆体PDVB多孔体に対してスルホン化を行わなかった場合は、前駆体マクロ孔骨格中に存在する数十nmの細孔は崩壊し、炭化後の骨格中にはミクロ孔のみが存在することが分かったが、スルホン化を行うことで骨格内の細孔は保持されることが明らかとなった。このように、様々な大きさの細孔を有する多元細孔活性炭が得られることを明らかにした。
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Research Products
(20 results)