2009 Fiscal Year Annual Research Report
Si基板上半極性GaNの積層欠陥、点欠陥抑制による光学的特性の改善
Project/Area Number |
20760012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本田 善央 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (60362274)
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Keywords | GaN / 選択成長 / 半極性・非極性 / Si基板 / MOVPE |
Research Abstract |
半極性面GaNの結晶欠陥の低減を目的としGaNの選択再成長法を試みた。また、成長条件と光学的特性の相関を測定し半極性GaN成長における成長条件の最適化を図った。 はじめに、ストライプパターン加工(113)Si基板上へGaNストライプ選択成長を行った。得られたGaNストライプは上面が(11-22)であり、側面が(-1-122)及び(000-1)面で囲まれている三角柱である。(11-22)面と(-1-122)面との間には微小な(0001)面が存在している。この結晶上へ、マスク材としてSiO_2をスパッタリングにより堆積した。スパッタする角度は(0001)方向へ60°傾けて行った。まず、(-1-122)面は影になっているためSiO_2がほとんど堆積しなかった。(0001)面も同様にスパッタの陰になっているものの、SiO_2の回り込みによりわずかにSiO_2が堆積していた。この基板を用いGaN選択再成長を試みた。再成長では(-1-122)面上のSiO_2膜を、BHFによりエッチングを行った。エッチング時間が十分な場合では、GaNは(-1-122)面および(0001)面から成長をしていた。エッチング時間を短くすることで、(0001)面のsiO_2が残っており、(-1-122)面からのみGaN成長結晶を成長することが可能であった。これらの結晶をCLにより転位を観察したところ、(0001)面からも成長した基板では、転位が<0001>方向に伝搬するため再成長表面に暗転が観測された。一方(0001)面上のSiO2マスクを残した基板では貫通した転位は下方向に曲げられるため、再成長表面に到達することはなく、転位密度が10^5cm^<-3>以下を達成することが可能であった。TEM観察から上記で述べた転位の伝搬メカニズムを確認することが出来た。また、再成長界面での新たな転位の発生、マスクとの接触部分からの新たな転位の発生は確認されず、非常に低転位密度のGaN結晶を得られることが明らかとなった。今後、光学的特性との相関を調べることで、半極性面での結晶成長の課題を明らかにしていく。
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