2009 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ気相診断によるプラズマ窒化プロセスの反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
20760046
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹田 圭吾 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (00377863)
|
Keywords | プラズマ酸窒化 / 窒化プロセス / 窒素ラジカル / プラズマ気相診断 / 原子絶対密度計測 / 準安定原子状ラジカル / 定量解析 / 大気圧マイクロホローカソード光源 |
Research Abstract |
本研究では、シリコンテクノロジーにおいてキーテクノロジーとなっている酸窒化プロセスに用いられるプラズマプロセスにおいて、各種反応活性種の振舞いを、レーザ計測をはじめとする各種気相診断法を用いて、定量的に評価すると伴に、準安定窒素ラジカルの密度計測のためのシステムを構築することを目的として、平成21年度においては下記の研究成果を得た。 プラズマを用いた窒化プロセスにおいて、我々は窒素ラジカルに注目し、高密度に供給可能な窒化プロセス用窒素ラジカル源の開発に成功している。この窒素ラジカル源を用いて、窒化プロセスに用いられる水素・窒素混合プラズマにおける窒素ラジカルの振る舞いについて各種分光計測法を用いて系統的に調査した。まず、大気圧マイクロホローカソード光源(MHCL)を用いた真空紫外吸収分光法を用いて行いた原子状窒素ラジカルの絶対密度を評価した結果、水素プラズマ生成直後に窒素プラズマを生成することで、窒素ラジカル密度が一桁以上上昇することが明らかになった。これは水素プラズマ生成時に装置内壁に水素ラジカル等が吸着され、その後窒素プラズマを生成することで、通常窒素プラズマを定常的に生成する場合に比べ、窒素ラジカルが残留水素との相互に反応することで、壁での失活が抑制されたものと考えられる。 さらに窒素ラジカル種において、エネルギーが高く反応に大きく寄与する可能性が高い準安定原子状窒素ラジカルの定量的な分析を可能とするため、上記MHCLを用いた吸収分光計測技術の構築を行った。窒化処理に応用可能なアルゴン・窒素混合大気圧プラズマを計測対象とし、構築した吸収分光技術を応用したところ、準安定窒素ラジカルの分光計測に成功し、初めて大気圧プラズマ中の準安定窒素ラジカルの振る舞いを明らかにすることができた。
|
Research Products
(9 results)