2008 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウム合金の精密鍛造プロセス開発のための延性破壊条件式の確立
Project/Area Number |
20760084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 良 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (50362645)
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Keywords | 塑性加工 / マグネシウム合金 / 鍛造 / 割れ / 塑性力学 / 変形抵抗 / 有限要素解析 / サーボプレス |
Research Abstract |
Mg合金の精密鍛造の実用化を目指して, 鍛造加工中に生じるMg合金の割れ発生について, 塑性力学, 金属学の両観点から詳細に調べた. これまで取り組んだMg合金の鍛造実験の結果より, 鍛造条件(鍛造形状, 温度, 速度)と割れ発生条件をデータベース化して, 幅広い鍛造条件下でのMg合金の割れ発生について考察した. Mg合金の塑性加工では引張り特性と圧縮特性が大きく異なることに着目して, 両条件での応力-ひずみ曲線を取り込んだ有限要素解析コードを作成し, 鍛造中のMg合金の応力, ひずみ, 温度分布を算出した. その結果, 引張り特性, 圧縮特性のいずれかのみの応力-ひずみ曲線を利用した従来の有限要素解析よりも高精度に鍛造中のMg合金の塑性変形を解析することが可能となった. また作成した有限要素解析を使った従来の延性破壊条件式によるMg合金の鍛造加工中の割れ発生の予測は従来の有限要素解析による結果と比較して予測精度は向上したが, 十分な予測精度は得られなかった. したがって, 引張り, 圧縮両条件の応力-ひずみ曲線を考慮することに加えて, Mg合金用の新延性破壊条件式を考案する等, 今後, さらなる改良すべき点が多く残されている. 一方, 金属学の観点からは鍛造条件と金属組織変化, 結晶粒径等の関係を調べた. 特に鍛造前のMg合金の熱処理が鍛造特性に及ぼす影響について詳細に調べ, 高温で熱処理を施すことで結晶粒が粗大化するにもかかわらず, 異方性が緩和されるため, 鍛造限界が向上することが分かった.
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