2009 Fiscal Year Annual Research Report
受動走行現象の力学原理に基づいた走行ロボットの開発
Project/Area Number |
20760167
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
池俣 吉人 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特任研究員 (70467356)
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Keywords | 受動走行 / リミットサイクル / ダイナミクスベースト / 平衡点 / リムレスホイール / 安定性 / 固有値 / 起こし回転 |
Research Abstract |
(1) ホッピングロボットのような脚の伸展運動(バネ要素)ではなく,走行スピードを利用した身体の起こし回転運動に注目し,当該運動に基づいた受動走行の実験をトレッドミル上で行った.連続9回の起こし回転運動,すなわち一種の受動走行に成功した.このときのトレッドミルのベルト速度は約14.5[km/h](トレッドミルの限界速度)であった.なお,最適なスロープ角度は試行錯誤的に探し,約18.5[deg]となった. (2) 起こし回転型受動走行における平衡点を解析的に導いた.平衡点では着地姿勢は鉛直となり,スロープ角度を上げると移動速度が遅くなる.また,平衡点の安定性をヤコビ行列の固有値から導いた.平衡点は不安定となるが,スロープ角度を上げると不安定性は減少する.さらに,ヤコビ行列を簡単化して,平衡点の安定条件式を導いた.安定領域は存在するが,平衡点がこの領域から外れているため不安定となる. (3) 起こし回転型受動走行の実機実験・解析の結果を踏まえ,2脚受動走行機を試作し,走行実験を行った.コンパスタイプの2脚受動走行に成功した.機構としては,起こし回転と同じグラスファイバー製のロッドを2本用意し,単純に腰軸に接続しただけである.ここで,4脚では構造が複雑化するのと,2本の同一脚の衝突が同時に起こらない可能性があるので,2脚とした.脚長は36.5[cm],全質量は2.8[kg]である.現段階では,安定性・再現性はまだ低く,数歩が限界であるが,平均速度は7.9[km/h],フルード数は1.16の高速走行を実現した.
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