2008 Fiscal Year Annual Research Report
個々の搭乗者特性に応じた快適走行を実現するテイラーメイド電動車いすの開発
Project/Area Number |
20760168
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
野田 善之 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (60426492)
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Keywords | 電動車いす / 搭乗者挙動 / 快適走行 / 発汗量評価 |
Research Abstract |
電動車いす搭乗者の走行時挙動数理モデルを提案した. 提案搭乗者挙動モデルは, 搭乗者の体格と姿勢を考慮したモデルとなっているため, 各搭乗者に応じた挙動を再現することができる. また, 提案モデルは搭乗者と車いすの背もたれとの接触も考慮されているため, より正確な搭乗者挙動を表現することができる. 提案した搭乗者挙動モデルを用いて, 搭乗者挙動を抑制する車いすの走行制御システムを開発した. 搭乗者挙動モデルに対して, 最適化手法を用いて搭乗者挙動を抑制する走行パターンを導出する制御システムを構築した. 開発された走行制御システムは, 搭乗者挙動を抑制し, 短時間で目的位置へ走行することを可能にした. この走行制御システムの快適性評価として, アンケートによる主観評価に加えて, 客観評価として, 発汗量評価を実施した. その結果, 搭乗者挙動抑制制御を実装した電動車いすによる走行は, 実装しない場合と比較して, 快適性が増していることが確認された. 発汗量評価では, 搭乗者挙動抑制制御による走行は発汗量が低く, 精神的な負担が小さいことが確認された. これらの成果は, 搭乗者に応じたテイラーメイド電動車いすの基礎研究結果であり, 電動車いすの設計指針や全方向移動や悪路走行可能なインテリジェント電動車いすへの応用が可能である. また, 快適性評価では, 心拍評価, 発汗量評価などを実施したが, 電動車いすでの快適性評価には, 発汗量評価が有用であることを示した.
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