2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高速酸化膜除去手法の開発に向けた減圧アーク陰極点の挙動軌跡解析
Project/Area Number |
20760188
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩尾 徹 東京都市大学, 工学部, 准教授 (80386359)
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Keywords | アーク放電 / 陰極点 / 酸化膜除去 / 画像処理 / 3R / 高速度ビデオカメラ / 陰極点挙動 / プラズマ |
Research Abstract |
本研究は、減圧アーク発生電極とプラズマに特化した画像処理アルゴリズム、及び、超高速ビデオカメラを用いて、減圧アーク陰極点の挙動軌跡解析を行うものである。本年度は、既に製作をした装置とアルゴリズムを用いた挙動軌跡の解析を基に,陰極点による酸化膜の蒸発量の計算をすると共に,熱伝導解析シミュレーションを用いて酸化膜やバルクへの熱の伝導や酸化膜の蒸発に関する検討を行った。具体的な結果を以下に示す。 1.陰極点が移動する際に、酸化膜が厚いほど蒸発量が増加したが、厚くなりすぎると蒸発量の変化がなくなった。また,酸化膜が厚くなることにより,陰極点近傍に混入する酸化膜蒸気の量が増加し内部圧力が上昇するため,吹き飛ばしが生じるという計算結果を得た。 2.ハイスピードビデオカメラや分光器を用いて,アーク画像,電圧,電流,入力電力,陰極点の輝度やスペクトルを計測した。特に,酸化膜蒸気がアークに混入することによるコンダクタンスの変動が,アーク電圧の変動に寄与していることを示唆する結果を得た。 3.熱伝導解析シミュレーションを用いた,陰極点からの酸化膜やバルクへの熱伝導や酸化膜の蒸発の計算により,バルクよりも酸化膜の方が蒸発されやすいという結果を得た。 最後に,3年間のまとめを行い,滞在時間や挙動軌跡などのモデルを構築し,超高速酸化膜除去手法の開発への大きな知見を得た。また、本研究で得られた知見を、電気学会共通英文誌,研究会,国際会議にて発表し,広く世界に情報発信を行った。
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Research Products
(3 results)