2008 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠女性のMR撮像における胎児内電磁波エネルギー吸収量の高精度解析
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20760218
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齊藤 一幸 Chiba University, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 助教 (80334168)
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Keywords | MRI / SAR / RFコイル / 生体等価電磁ファントム / サーモグラフィ法 / FDTD法 / 数値人体モデル / 妊娠女性数値モデル |
Research Abstract |
MRI(Magnetic Resonance Imaging : 磁気共鳴画像法)装置は, 強い静磁界中に置かれた被検体(主に人体)にパルス状電磁波を照射することによって生じるNMR(Nuclear Magnetic Resonance : 核磁気共鳴)信号を受信し, 被検体の内部構造を画像化する装置である。近年, 妊娠女性がMRI装置を利用した際のパルス状電磁波による電磁波エネルギー吸収量評価が求められている。そこで本研究では, 高精細妊娠女性数値モデルを用いて, MR画像撮像時の妊娠女性腹部(すなわち胎児)における電磁波エネルギー吸収量を計算機シミュレーションと実験的手法の両面より明確にすることを目的とした。まず, MR撮像を行う際に, 被検体にパルス状電磁波を照射するRF(Radio Frequency)コイルとしてバードケージコイルを選択し, その設計・試作を行った。そのコイルに, 生体等価固体ファントム(生体組織と等しい電気的特性をもつ物質)を挿入し, サーモグラフィ法にてファントム内部のSAR(Specific Absorption Rate[W/kg])を測定した。この測定結果を計算機シミュレーション結果と比較したところ, 両者はよく一致したため, 本研究で用いたバードケージコイルの計算機シミュレーションモデルの妥当性を確認することができた。次に, 妊娠女性腹部付近にバードケージコイルを配置し胎児周辺のSAR分布を計算したところ, 母体腹部の皮膚・筋肉部分や, 羊水付近にて比較的高いSARが観測されたものの, 胎児におけるSARはそれらに比べて低い値であることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)