2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760227
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
菅野 敦史 National Institute of Information and Communications Technology, 新世代ネットワーク研究センター先端ICTデバイスグループ, 専攻研究員 (20400707)
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Keywords | 電気光学効果 / 量子ドット / 半導体光デバイス / マイクロ波・ミリ波 / ナノ光デバイス |
Research Abstract |
本年度は下記2点の検討を行った。 1) ナノ構造化による光電界センサ高感度化アプローチ 昨年度理論検討を行った量子閉じ込めシュタルク効果利用電界センサ構造を基に量子井戸型構造を有する光電界センサの試作可能性を検討した。試料作製の簡単化のため波長800nm帯に感度を有するGaAs/AlGaAs量子井戸構造を設計し試作した。具体的には分子線エピタキシ法にる5層量子井戸構造を第一次試作とした。吸収光スペクトルの検討の結果、設計意図とは異なり有効感度域が820nm以上の長波長帯域となった。そのため電界吸収効果の計測が困難となり、設計上の問題点の洗い出しを行い、さらなる精度の作り込みが必要との結論を得た。今後、第二次試作と検討を行う予定である。 2) 新奇ナノ構造を利用する光電界センサの検討 電気光学効果を利用する量子ドット光電界センサの検討と試作を行った。先行研究では広く利用されているニオブ酸リチウム結晶と同等程度の電気光学効果が得られているとの報告があるため、光通信に用いられる1.55μm波長帯に適合するInGaAs量子ドットにて試作を行った。量子ドット試料は高感度化達成の為150層積層させた。また、裏面HRコートを採用することで、実効的に300層の量子ドット活性層を得られるような反射型構造を採用した。高精度な電気光学効果計測のため光ファイバ干渉計を製作し電気光学効果の検出を試みたが、干渉計の時間揺動が大きくまた安定性が足りなかったため、有意な検出結果を得ることが出来なかった。今後、光ファイバ干渉計の安定化を図り、量子ドット電気光学効果の再検討を行う予定である。
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