2009 Fiscal Year Annual Research Report
時系列統合による運動物体のための能動的3次元センシング
Project/Area Number |
20760263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 義浩 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特任助教 (80456160)
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Keywords | センシング情報処理 / 3次元計測 / 高解像度化 / 能動計測 / 画像センシング / 高速ビジョン / 計測工学 / 最適化問題 |
Research Abstract |
本研究課題では、運動・変形中の物形状をリアルタイムに取得し得るセンシング技術の確立とその応用展開を目的としている。特に、高精度形状復元のためのセンシング情報処理やインターフェースへの応用展開に重点を置いている。 平成21年度は、3次元センシングの高解像度化に関して、前年度に開発した手法の拡張に着手した。前年度には、時系列統合による高解像度化を提案し、そのための位置合わせ手法を構築したが、形状曲面が点集合として表現されており、復元精度に限界がある点が問題であった。そこで、連続曲面モデルを同時に推定する手法を構築し、その検証を行った。その結果、センサ系のハードウェア限界を超える高解像度なデータが復元可能であることが分かった。 一方、提案した高解像度化の手法は、剛体にのみ適用可能なものであった。そこで、非剛体変形の推定に関して、高精度化をデータ取得後に達成可能な手法の開発に着手した。開発した手法は、対象物体の変形に関する物理的特性に関する数理モデルを推定問題に取り込むことで、計測ノイズや低解像度による取得データの劣化を解消するものである。具体的には、可展面と呼ばれる特性を用いて、微分幾何モデルを3次元データの解析において利活用する非線形最適化問題の枠組みを構築した。その結果、変形の高精度化とともに、変形によって歪んで観測された非剛体曲面上の画像を高精度に補正することも可能であることが分かった。 さらに、このような高速・高精度3次元センシングの技術を用いた応用展開に関しても、精力的に研究開発を行った。本年度は、書籍の電子化に関する技術に取り組んだ。書籍電子化のニーズが高まっているが、大量の本を手軽かつ高速にスキャンする技術がないことが問題となっている。これを解決する新技術として、Book FlippingScanningを提案した。これは、高速な3次元センシングによって、ユーザのめくり動作中に紙面情報をスキャンする技術である。各ページの紙面の変形を連続的に捉え、書籍情報の歪みを3次元の非剛体モデルによって自動補正することが可能であることを実証した。
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Research Products
(10 results)