2010 Fiscal Year Annual Research Report
実用的なロバストゲインスケジューリング制御器設計法の開発
Project/Area Number |
20760287
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
佐藤 昌之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発本部, 研究員 (90358648)
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Keywords | 制御工学 / 機械力学・制御 / 航空宇宙工学 |
Research Abstract |
乱気流による事故を防止する飛行制御器設計に応用可能な「実用的なロバストゲインスケジューリング制御器設計法」の開発を最終目標に,平成22年度は,以下の二つの問題に取り組んだ. (1)入手したスケジューリングパラメータに含まれる観測誤差等の不確かさに頑強なゲインスケジュールド状態フィードバック制御器およびゲインスケジュールド出力フィードバック制御器設計問題 (2)スケジューリングパラメータの微分を用いない出力フィードバック制御器設計問題 その結果,計算複雑度は多少大きくなるものの,それぞれの問題に対する有効な設計法を開発した.また,考案した設計法と従来設計法との関係も明らかにした.具体的には,(1)においては,不確かさがない場合は従来設計法と同等の性能を有する制御器が常に設計可能であること,(2)においては,設計の際に用いるLyapunov関数の構造に制約を課した従来設計法と同等の性能を有する制御器が常に設計可能であることを示した.さらに,両者の方法を組み合わせることで,従来設計法では考慮されていなかった実装性およびスケジューリングパラメータの観測誤差に対する頑強性を保証したゲインスケジュールド出力フィードバック制御器設計法を新たに提案した. なお,飛行制御への応用も検討したが,連続時間ゲインスケジュールド出力フィードバック制御器では,搭載計算機内で離散時間システムへ変換する計算を行う必要があり,その際に制御器の安定性が保証されないという問題や,変換に伴うオンライン計算負荷の増大という問題が発生し,実装するには至らなかった.これらの解決が今後の課題である.
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