2008 Fiscal Year Annual Research Report
鋼とコンクリートの境界部における鋼材腐食量推定法と鋼トラス橋の健全度評価
Project/Area Number |
20760295
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内藤 英樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (50361142)
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Keywords | 鋼材腐食 / 鋼とコンクリート境界部 / 合成構造 / 非破壊検査 / 共鳴振動試験 / 健全度評価 |
Research Abstract |
本研究は, 鋼とコンクリートの境界部に生じる鋼材腐食に着目し, 共鳴振動試験による鋼材腐食量推定法 (非破壊検査法) の開発を目的としている. 具体的には, 2年間の研究期間に以下を検討する. 1年目 : 解析的検討および小型供試体の共鳴振動試験による非破壊検査法の提案 2年目 : 実験データの補充および大型供試体での実証試験,構造物の安全性評価への適用 今年度は, 解析プログラムの作成と共鳴振動試験システムの構築が完了した. また, 鋼とコンクリートの境界部を模擬した小型供試体を作製し, 電食によって境界部の鋼材腐食のみを促進させることに成功した. これらの小型供試体の共鳴振動試験から得られた研究成果を以下に列挙する. 1) 鋼とコンクリートの境界部が著しく腐食しても, 鋼材の共鳴振動数はほとんど変化しないことが示された. 2) 境界部付近の共振時の応答加速度 (フーリエ振幅比) に着目することによって,境界部腐食の有無が推定できる可能性が示唆された. 具体的には, 境界部腐食によって2次モードのフーリエ振幅比が大きくなることが確認された. 3) 調和振動解析により, 上記1), 2) の妥当性が理論的にも示された. 今年度の小型供試体を用いた検討では, 共鳴振動試験に基づく手法によって, 鋼とコンクリートの境界部に生じる鋼材腐食量の推定が可能になることが示唆された. 次年度は, 実験データの補充と大型供試体への拡張を図り, 提案手法を汎用的な非破壊検査法に発展させる. さらに, この非破壊検査法を用いた鋼トラス橋の健全度評価法を体系化する.
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Research Products
(13 results)