2008 Fiscal Year Annual Research Report
多方向ひび割れを有する繊維補強コンクリートの疲労構成モデルの構築
Project/Area Number |
20760299
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長井 宏平 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (00451790)
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Keywords | コンクリート / 繊維補強 / 多方向ひび割れ / 空間平均構成則 / FEM |
Research Abstract |
本研究では, 繊維補強コンクリートの多方向ひび割れ発生時の峰的及び疲労せん断伝達特性を実験に基づき明らかにし, 鉄筋コンクリート構造物ライフスパンシミュレーションが可能な有限要素プログラムCOM3に構成モデルとして組み込むことで, 繊維補強コンクリートを用いた構造物の静的耐力及び疲労寿命の予測を可能とすることを目的としている. 本年度は, まず複数ひび割れ型繊維補強コンクリートの多方向ひび割れ発生下における静的及び疲労挙動を, 薄板の曲げ試験により把握する実験を実施した. 使用する繊維補強コンクリートは市販されている数種(ECC, Ductal等)と, 独自で配合決定し作成したものを用いる. 独自配合では, 低強度から高強度までのマトリックス特性, 鋼や有機系などの繊維種類, 骨材の有無の影響を追究可能で且つ高流動な繊維補強コンクリートを用いる. 粗骨材を含みせん断伝達力を意図的に向上させた試験体は, ひび割れ面形状の影響を明確にすることを目的とした. 実験より, 多方向ひび割れの発生時の供試体の剛性と強度の低下を確認した. その低下率は初期ひび割れの導入角度と材料種類により異なり, 初期ひび割れと載荷方向の角度が大きいほど剛性の低下は小さいが強度の低下が大きい傾向が確認された. ひび割れは載荷方向によらず直角に近い角度で発生し, ひび割れ挙動の詳細な把握が必要であることが示された. また, 疲労の実験も実施し, 繊維配向の影響と共に検討が加えられた. 実験結果をもとに空間平均化構成モデルの構築を試みた. これを有限要素法解析プログラムCOM3に組み込み実験の再現を試み, その有用性と改善の必要性を示した. 引き続き, ひび割れ発生後の精緻な構成モデルめ開発が続けられている.
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Research Products
(4 results)