2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760386
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
桑原 浩平 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (40374582)
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Keywords | 建築環境・設備 / 人間生活環境 / 熱中症 / 平均皮膚温 / 深部体温 / 心肺能力 / 非定常状態 / 暑熱環境 |
Research Abstract |
本研究では, 心肺能力や暑熱順化といった個人特性が人体生理状態に及ぼす影響を文献調査と被験者実験により明らかにし, 個人差を考慮した人体生理量予測モデルを開発することを目的としている。平成20年度は, まず個人の心肺能力と暑さの影響を考慮した深部体温の予測式を提案した。深部体温を作業強度起因の深部体温と暑さ起因の深部体温の和として定義した。心配能力の指標として最大酸素摂取量VO_<2max>、を採用し,作業強度起因の深部体温を相対的作業強度である%VO_<2max>の関数で表すことにより, 心肺能力の個人差を考慮することを可能にした。暑さ起因の深部体温の増加は, 平均皮膚温と深部体温が上昇し始める臨界平均皮膚温の差の2次関数として定義した。2次関数の傾き並びに臨界平均皮膚温は, 20代青年男子の自転車エルゴメーターによる被験者実験データと文献データから算出した。定常時の平均皮膚温が36℃程度までの環境において, 定常に達する時間は1時間程度であるので, 導かれた深部体温の予測式は作業時間1〜3時間の暑熱環境評価に有効に利用できると考えられる。しかし定常時の平均皮膚温が36℃を超えるような温域では, 定常に達する時間が数時間に及ぶので非定常状態の予測式が必要である。そこで被験者実験データを基に, 暑熱環境における相対的作業強度35%VO_<2max>の非定常状態の平均皮膚温と深部体温の関係を分析することにより, 非定常状態の平均皮膚温と深部体温の予測式を導いた。定常時の平均皮膚温が36℃を超える温域では, 作業開始後70分以降,深部体温と皮膚温の差がほぼ一定値を示したことから, 非定常時の深部体温の予測式は平均皮膚温の1次関数として定義した。非定常状態の実測データを用いて予測式の有効性を検証したところ, 予測値と実測値はおおむね一致した。
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Research Products
(4 results)