2008 Fiscal Year Annual Research Report
横須賀製鉄所・造船所におけるフランス系建設技術の導入に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20760435
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Research Institution | The Yokosuka City Museum |
Principal Investigator |
菊地 勝広 The Yokosuka City Museum, 横須賀市自然・人文博物館, 学芸員 (80321892)
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Keywords | 横須賀製鉄所 / 横須賀造船所 / 建築史・意匠 / 技術史 / 国際貢献 / フランス海軍 / 技術移転 / 横須賀市 |
Research Abstract |
本年度は主に、フランス共和国パリ市(Paris)、シェルブール市(Cherbourg)、ブレスト市(Brest)、ナント市(Nantes)、ラ・ロッシェル市(la Roshelle)、ロッシェルフォール市(Roshefort)での資料収集調査と資料整理を行った。その中で、「横須賀製鉄所・造船所関係資料リスト(海軍歴史資料館シェルブール支所所蔵)」(「ARSENAL JAPONAIS DE YOKOSUKA construit par la France」(Historique de la marine cherbourg))を収集できた点が主な成果であった。このリストに掲載されている資料の多くは、パリ市内に所在する海軍歴史資料館ヴァンセンヌ本部に所蔵されている。当該年度の調査で資料の複写が出来たのは、資料リストの2項目までであるが、複写画像の数量は2000点超である。本リスト所収の資料のみでも大量であるが、ヴェルニー等の人物情報に関する資料群も別途に存在するため、海軍歴史資料館所蔵(支所を含む)の横須賀関連資料は膨大な量に上ることが判明した。これらは、日本側の資料では確認できない歴史情報を多く含んでいるなど、横須賀製鉄所・造船所の歴史研究にとって重要な資料群であると言える。 また、この資料リストが所蔵されていたシェルブールの市街地やロッシュフォール、ラ・ロシェル、パリ市内で、数多くの通称「フランス積み」の煉瓦造建築を確認できた。更に、ブレストからナントへの移動中に、レンヌ駅、ルドン駅等でも「フランス積み」煉瓦造建築が確認できた。軍港を擁するロッシュフォールでは、横須賀製鉄所と同年代のドライドック、長棟のロープ工場、横須賀製鉄所医師サヴァティエの母港である海軍医学校校舎などを調査した。また、ブレスト市では、商業港のドライドックについて、ポンプ室等の地下施設内部を含む現地調査と図面収集を実施した。
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Research Products
(1 results)