2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760447
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小島 隆 Chiba University, 大学院・工学研究科, 助教 (70333896)
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Keywords | セラミックス / 複合材料・物性 / フェライト / 自己複合化 / 微構造制御 |
Research Abstract |
本年度においては、複合体中の第二相成分の原料となる均一な粒子の調製に関しての検討および、ジルコニア/Baフェライト系およびジルコニア/Baヘキサアルミネート系コンポジットの自己複合化時において、原料粒子の形態が複合化組織に与える影響の検討を中心に行った。 粒子の合成に関しては、フェライト複合化系において第二相の形態に最も大きな影響を与えるヘマタイトに関して詳細に検討を行った。従来までに、塩化鉄を高濃度の水酸化ナトリウムで加水分解し、水熱処理を行うことにより均一な粒径を有する立方体状のヘマタイト粒子が合成できることが明らかとなっているが、本研究において加水分解反応をより広範囲での恒温下で行うことにより、様々な粒径を有するヘマタイト粒子をそれぞれ調製することができた。 上述の均一なヘマタイト粒子および共沈法により調製したBaフェライトのアモルファス粉末を、ジルコニア粉末と混合して成型・焼結を行うことによりジルコニア/Baフェライトコンポジットの自己複合化を試みた。その結果、粒径が均一なヘマタイトと炭酸バリウムのみを原料として用いた場合は、複合化されるBaフェライトの粒径は均一化するもののアスペクト比も減少する傾向にあったが、ジルコニアマトリックス中に反応性の高いアモルファス粉末を共存させることにより、第二相の粒径およびアスペクト比を制御可能であることを見いだした。 また、アルミネート複合化系に関しても、共沈法により調製したBaアルミネートのアモルファス粉末と、α-アルミナおよび炭酸バリウム粉末を共存させて自己複合化を行うことにより、Baフェライトを複合化した場合と同様にコンポジットの微構造を制御できることも明らかとなった。
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