2008 Fiscal Year Annual Research Report
液相成長プロセスによる高性能ビスマステルライド系熱電材料の開発
Project/Area Number |
20760494
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
北川 裕之 Shimane University, 総合理工学部, 准教授 (00325044)
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Keywords | 熱電変換材料 / ビスマステルライド / 結晶成長 / キャリア輸送特性 |
Research Abstract |
熱電変換とはゼーベック効果を利用した温度差発電とペルチェ効果を利用した電子冷却という2つのエネルギー変換の総称であり, 環境, エネルギー問題が世界規模で叫ばれる中, クリーンなエネルギー変換方式として注目されている. 室温付近で良好な熱電特性を有するBi_2Te_3系材料は, 結晶構造に由来する異方的な熱電物性を持つ. この異方性は電気抵抗率において顕著であることから, 結晶配向制御による低抵抗化が高性能化への課題であり, 簡便な技術で配向性を向上させる技術が望まれている. 本研究では, 高性能方向に優先方位をもつ材料の作製を行うための新しい結晶成長法として, スライド・ボート法による液相成長プロセスを開発した. スライド・ボート法は液相成長法の一種であり, 原料室に仕込んだ原材料を溶融させた後, スライダを移動させることにより基板上に融体を移動させ, 結晶成長を行う方法である. この方法において, 本年度は, 急速加熱, 冷却が可能な赤外線ゴールドイメージ炉を過熱炉として用い, プロセス時間を従来の半分以下とした材料作製を試みた. その結果, 約60分程度の短時間プロセスでボートのスライド方向と高性能方向が高度に揃った結晶作製に成功した. この結晶配向により, p型Bi_<0.5>Sb_<1.5>Te_3のホール移動度は同一キャリア濃度の焼結体と比較して2倍程度となった. 高移動度により低抵抗化が実現され, 電気的性能指数は同一キャリア濃度の焼結体と比較して約1.5倍程度向上した. 本作製手法におけるキャリア濃度の最適化およびn型材への適用が今後の課題である.
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Research Products
(2 results)